結膜嚢胞(のう胞)

結膜嚢胞(のう胞)結膜嚢腫(のう腫)とも呼ばれます.結膜の一部が水疱になった状態で,原因不明の突発性,外傷,術後などがあります.症状は通常ありません.異物感や整容的に除去を希望する場合は針で穿刺することがあります.

日本の眼科医は出血しないように血管のない嚢胞部分を穿刺しています.この方法では,再発が起こることが多く,日本には結膜嚢胞のために幾つかの手術方法までもが存在しています.(小林顕:結膜嚢胞 日本眼科学会手術学会会誌 25: 521-526 2012)

アメリカの眼科医は再発を予防するためには穿刺時にできるだけ嚢胞内に出血させています.当院では後者の方法で行っています.術後結膜下出血になりますが,結膜下に出血することによって結膜と結膜下組織間で結合が起こり,結膜嚢胞は起こりにくくなります.機序を考えると後者が正しい治療だと考えています.針だけでは内容物が取り除けない場合は剪みで結膜を切ることがありますが,その後,再発したことはありません.

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結膜嚢胞