結膜のメラニン細胞によって,結膜の一部が茶色になっている方がしばしば見られます. 結膜の上皮が平坦で,茶色に沈着する原発性後天性メラノーシス(PAM)は 有色人種に多く,中高年では黒人で9割,アジア人とヒスパニックでは3割で見られます(下図). 頻度から分かるように,殆どは良性ですが,①広範囲,②隆起,③拡大,④角膜への侵入,⑤結膜の周辺部や瞼の裏への侵入,⑥メラノーシスへの拡張した供給血管の存在 が見られる場合は悪性腫瘍(メラノーマ)への転換の可能性があります.
メラノーシスが有色人種に多いのに対して,メラノーマは白色人種に見られます. メラニンが紫外線をブロックすることによって紫外線によるDNA突然変異で起こる悪性腫瘍を抑制しています. 白色人種ではメラニンが少ないために,メラニン細胞が突然変異してメラノーマになる可能性が高まります.