網膜格子状変性

網膜の周辺部の変性で,後部硝子体剥離によって網膜が引っ張られることによって起こると考えられています. 約1割の方で起こり,約4割は両眼性です.近視の方に頻度は高くなります.

病理的には網膜が薄くなっており,合併症として,裂孔原性網膜剥離があります.この合併症の頻度は1%と高くはありませんが,裂孔原性網膜剥離の4割で格子状変性が見られます. 多くは無症状ですが,光視症や飛蚊症の訴えが合併症である裂孔原性網膜剥離で現れることがあります.

格子状変性のうち,①網膜に裂孔がある場合,②萎縮円孔がある場合,③既に片眼に裂孔原性網膜剥離がある場合は裂孔原性網膜剥離になる可能性が高く,治療として網膜光凝固術を行います.

格子状変性と萎縮裂孔
格子状変性と萎縮円孔
網膜格子状変性に対する光凝固術後(当院にて)
左写真の格子状変性に対する当院での光凝固術後



裂孔や萎縮円孔が見られない場合は多くは経過観察がなされますが,光視症,飛蚊症が増加した場合は,裂孔,円孔が疑われますので,早めの眼科受診が大切です.